【嬢の心得】コラム:ドレス新調の日

ドレス新調の日

昔、いや、平成になってもくらいの昔ね~。
お店によって、ドレス新調の日があったんです。

今みたいに、いやいやそれでいいんですか?ってくらいの価格でレンタルしてくれる店もなかったので、自前で購入しないといけませんでした。ナイトワークのドレスって、結婚式の二次会フォーマルとは、微妙に違ってるでしょ。
やっぱオーダーか専門店が中心で、何気に高いんですよね。

お店は、景気がいいところを、嬢たちが新しいドレスを着ることで見せたいのだと思うのですが、今月ドレス買うくらい頂きましたっけ?って月もあります、確実に。

で、私は考えたんですね。
自分がお客さんになって、他の似たようなお店で、他のお嬢さんたちが何を着ているかチェックに行くってことで。

毛羽だった白いスーツを着るママ

あるお店で、ママと呼ばれている人が、白いシャネルスーツ(もどき)着ていたんですけど、確かに白ではあるんです。

でも、それは、照明をちょっと落とした暗さがあるから白に見えるだけで、白じゃないです。おそらくですが、洗濯機で丸洗いできるタイプのスーツらしくて、本当に良く見ると、毛玉が付いて毛羽だっていたんですね。
お店での正装かもしれないし、出勤時は着替えるんだろうけれど、このママ失礼だなと思いました。

いやあ、古い女と思われるかもしれないですけど、私の仕事のバイブルは「ぬかるみの女」という昭和の小説なんですね。
お金持ちの奥さんがたしかDVで子供を連れて家を出て、ナイトワークに付く。

でも、持ち合わせはないし、一枚だけ白いドレスを作る。
白は自分の純潔を示す色であり(ああ、昭和)。

白って確実に毎日汚れるわけです。で、朝方アパートに帰ったら、手洗いして、夕方まで干していつも清潔な白いドレスを着て、プロ中のプロにのし上がっていくっていうんですね。

シャネルスーツのママも読んでて、それに倣って白いスーツを丸洗いなのかもしれません。でも、手で洗ったのと、洗濯機で乱暴に洗ったのでは全く仕上がりが違います。

曜日ごとに色を変えて揃えたドレス

私は、ドレスを、シャネルスーツ(なんちゃってだけど)を数枚揃えました。曜日によって色を変えます。10着。

3着は、安いクリーニング屋さんじゃなく、きちんとした街の洗濯屋さんにいつも出してる状態です。清潔でくたびれ感がでないように、プロに頼むのです。
もちろん、この10着は、10カ月かけて、揃えました。ドレス新調の日に。

その間に、毎月新調は辛いって声が出て、廃止にはなったんですけどね。スーツの色で、お客様も、今日が何曜日かもわかるし。檸檬イエローのスーツの日にだけ来るお客様からは、それしか持ってないんだろうと思われてます。

ドレスとは戦闘服

新しいドレスは、特別な日には必要です。
でも、私たちの戦闘服であるドレスは、お客様を清潔な気持ちで迎えるおもてなしのドレスでもあるのです。
いつも、キレイでいましょうね。