接客業のための7つの習慣

みなさま、こんばんは。編集部のあいです。

突然ですが、「7つの習慣」という書籍をご存知でしょうか?

本書は、スティーブン・R・コヴィー博士という方が書かれた書籍で、初版の発行から20年以上経過した現在でも、ビジネスマンを始めとした多くの方々に愛読され、全世界で3,000万部以上を売り上げるというベストセラーです。 

この「7つの習慣」を元に、接客のヒントを考えてみようという連載シリーズを書いてみることにしました。

コヴィー博士の提唱する「7つの習慣」からなる法則によって、人生をより良くしようという内容で、ビジネス書というよりは自己啓発的な色の濃い書籍なのですが、この内容は、むしろ水商売や風俗業の接客に活かせるのではないかと、本書についての私なりの解釈を記事にしてみることにしました。日々、「接客」に向き合っている方々の参考にしていただければ幸いです。

もちろん、原作を読んでいただくのが一番ですので、気になった方は原作を購入して精読することを強くおすすめします。

目先のテクニックだけではなく、人格を磨く

接客業のみなさまは、少なからず「お客様に気に入られたい」、「指名本数を増やしたい」と考えていると思います。
では、「気に入られたい」「指名を取る」「お金を使ってもらう」ためにどうするべきでしょうか?

多くの方が思いつく方法では、「お客様を褒める」「お客様を思いやる」「笑顔で接客する」「身だしなみをオシャレで清潔にする」その他、人に好かれるためのテクニックや相手に興味をもっているように思わせる話し方、心理学の応用でYESを引き出す会話術、様々な手法があると思います。

接客ステップアップ

もちろんこれらのテクニックはとても大切なものであり、「接客」をするためには必要不可欠といえるでしょう。
ところがコヴィー博士は、これらのテクニックよりもさらに重要なものがあるといいます。

テクニックや手法だけで人を動かしたり、仕事をさせたり、士気を高めようとしたりすれば、長期において成功することはできない。いずれは、その二面性によって不信感が生まれるからである。いくら人間関係を改善するためのテクニックを使ったとしても、それはすべて相手を操ろうとしている行動にしか見えない。信頼という土台がなければ、永続的に成功することはあり得ない。

「7つの習慣 人格主義の回復より」

まさに接客業に当てはまると思いませんか?

目先のテクニックや会話術だけではなく、本当に接客業として愛されうる人格を備えなければ、「この人、いいこと言ってような気がするけど、結局上辺だけだな。」と見抜かれてしまって、長期的な成功(指名)を得ることはできないということです。

例えば、先に挙げた例示であればこうなります。

お客様を褒める

 ✕ とりあえず褒めておけば相手が喜ぶだろう。
○ 相手の素晴らしいところを見つけて、理解した上で褒める。

 お客様を思いやる

 ✕ 表面的な悩みを聞いてあげて共感してあげる。
○ 真に相手を理解して、一緒に問題を考える。

 笑顔で接客する

 ✕ 接客業だから明るく振る舞うための作り笑い
○ 接客業が楽しいから自然と笑顔になる

身だしなみをオシャレで清潔にする

 ✕ 接客業なので、服装や髪型に気をつける
○ オシャレで清潔な人間になる。

あい(通常)

これらの違い、微妙ですが伝わりますでしょうか。

「パラダイム」とは。

 「7つの習慣」では、「パラダイム」という重要な考え方があります。

人は個々の人生経験や価値観により「こうだ」、「こうあるべきだ」と決めつけてしまっている部分があり、それが私達の行動や選択、態度にあらわれています。

パラダイム

「ホストやキャバ嬢とはこうあるべきだ」とあなたは考えているかもしれません。
ただ、お客さんも同じように考えているでしょうか?
お店のオーナーやママはそれとはまた違う立場で考えていることでしょう。

あなたから見れば意味の無い行為も、相手にとっては、とても大切なことかもしれません。

ある悲しい出来事に対して、あなたは「かわいそうだから慰めなければならない。慰めるのが優しさである。」と思っても、相手は、「今は話しかけてほしくない。そばにいて聞いてくれるのが優しさである。そうしてほしい。」と思っているかもしれません。

このように、1つのことに対する人それぞれの感じ方、考え方の違いを「パラダイム」といいます。

周りの人間との深い充実した人間関係を築くためには、まず相手の言葉を聴くことから始めなければならない。そこでは精神的な強さが要求される。本当に人の話を「聴く」ためには、忍耐、自制、そして相手を理解したいという気持ちなど、高度な人格の要素が必要不可欠である。低い人格しか持ち合わせていなくても、格好良くアドバイスをすることはできる。それは、本気になって相手の話を聴くという行為よりもはるかにたやすいものである。

「7つの習慣 人格主義の回復より」

人それぞれの「パラダイム」を理解する。

行動を共にすることより同じ経験をした場合や、同じものを見た場合であっても、人それぞれ固有の「パラダイム」によって物事を理解して、それぞれの価値を決めていることがご理解いただけましたか?

パラダイムシフト

自分のパラダイムだけが正しいとは思わず、他の人にはそれぞれのパラダイムがあることを理解した上での行動が、あなたの接客能力を高めることになります。

あい(笑顔)

「相手の考え方を理解する。」ではなく、「相手には相手の考え方があることを理解する。」という違いに注意してください。

 まとめ

今回の宿題は、下記の2点です。

  • 目先のテクニックだけではなく、人間性そのものを磨くことが成功の近道
  • それぞれの事象に対して、それぞれの人の「パラダイム」が存在する

今回は、基本編でしたが、次回より実践編、「第一の習慣」に入ります。
ご興味をもっていただいた方は、ぜひ楽しみにしてくださいね。